「コイツの分、野菜マシでお願いしま〜す!」新年度によく見られる、《ラーメン二郎》で後輩の分を上司が勝手に大盛りで注文…店側「やめて」
また、お酒の席のアルハラ(アルコールハラスメント)にも通じるとの声や、「自分の料理が罰ゲームみたいに扱われるのはそりゃやだよね」と店側に同情する考えもみられた。
ラーメン二郎などの飲食店で、上司が部下に大盛りを食べさせることを強要するのはパワーハラスメントにあたるのだろうか。ラーメンをよく食べる西山良紀弁護士に聞いた。
「繰り返されるとパワハラに該当しうる」
——上司が部下にラーメン二郎の大盛りラーメン(野菜マシ)を何もわからないまま食べさせたり、悪戦苦闘しながら食べている様子を見て笑ったりすることは、パワハラにあたるでしょうか。極めて不快な行為ですが、ただちにパワーハラスメントに該当するとは言い切れません。
パワーハラスメントとは、職場においておこなわれる(1)優越的な関係を背景にした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるというものであり、3つの要素のすべてを満たすものをいいます。
(3)就業環境が害される、というのは、問題とされた言動によって、身体的または精神的に苦痛が与えられ、労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が生じることを言います。
この判断にあたっては、社会一般の労働者であれば「就業するうえで看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」が基準になります。
感覚ではありますが、騙して大盛ラーメンを食べさせるのがこの1回だけで、かつ全部食べ切ることまで強要していないときには「就業するうえで看過できない程度の支障が生じた」とまでは言えず、パワハラに該当するとまでは言えないと思います。