"カイシャ君"はなぜ迷走する? 「働き方改革」「人的資本経営」「ワークライフバランス」…、"トレンドワード"に飛びつくより大事な事とは?
ここからは、分化されたグループのマネジメントの本質について見ていこう。マクロ(=組織全体)の視点では、マネジャーには組織の複雑性を縮減する「結節点」としての役割がある(下図)。

下位の三角形に上位の方針や意思をかみ砕いて伝えることや、下位の三角形の状況をわかりやすく上位の三角形に報告することは、マネジャーの重要な役割だ。
同時に、グループの代表として社内外とのコミュニケーションも担っている。つまり、マネジャーは「上下」「左右」「内外」のコミュニケーションの結節点として機能する必要があるのだ。
また、ミクロ(=管轄グループ)の視点では、職場のトップとしての役割がある。グループの「組織成果」とメンバーの「欲求充足」の両輪を成立させるために、コミュニケーションを取るのもマネジャーの役割だ。
マネジャーが直面する3つの葛藤
こうした役割を担うマネジャーは、必ずと言っていいほど葛藤に直面する。「効率vs.能率」「短期vs.長期」「分化vs.統合」など、有限なリソースをどのように分配するべきか、葛藤が生まれるものだ。
こうした葛藤に直面したときは、「振り子」で考えることをおすすめしたい。下図のような振り子をイメージし、現状、振り子がどの位置にあるのかを見極める。そのうえで、逆の方向に振り子を振るような施策を打つのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら