"カイシャ君"はなぜ迷走する? 「働き方改革」「人的資本経営」「ワークライフバランス」…、"トレンドワード"に飛びつくより大事な事とは?

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振り子で打ち手を考える

A側に振りたい、B側に振りたいなどの感情や思いは排除して、ただ現状をよく見て、逆の方向に振り子を振る打ち手を考えるのがポイントだ。振り子はつねに動いているので、時と場合によって打ち手は変わってくる。

このときに気をつけたいのが、真ん中で振り子を止めようとしてはいけないということだ。

葛藤がなく、均衡が保たれている状態は、一見すると組織にとって良い状態のように思えるかもしれないが、実は逆である。止まっている振り子のような組織は、停滞の最中にあり、そのままにしていると硬直化してしまう

もし、組織が均衡状態に陥っているなら、マネジャーは、どちらの方向でもいいので振り子を振らなければいけない。意識的に不均衡を作り出すことで、組織は成長に向けて動き出すのだ。

まずは本質を理解することから

「会社」「組織」「マネジメント」の本質を簡単にお伝えした。これらの本質を理解しておくことで、経営や組織のバズワードについても根源的な意味合いを思考し、適切に対応することができる。

次回は、今回お伝えした考え方を土台に、「女性管理職比率」や「人的資本経営」の本質に迫っていきたい。

組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座
『組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座』(日経BP 日本経済新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
小笹 芳央 リンクアンドモチベーション代表取締役会長、経営コンサルタント

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おざさ よしひさ / Yoshihisa Ozasa

1961年、大阪府出身。

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材開発部、ワークス研究所主幹研究員、組織人事コンサルティング室長を経て、2000年に独立。

同年、世界初のモチベーションにフォーカスしたコンサルティング会社、リンクアンドモチベーションを設立し、代表取締役に就任。

行動経済学、社会システム論、心理学などを基盤にモチベーションエンジニアリングという独自の基幹技術を確立。大手企業から中堅中小企業まで幅広く組織改革の支援を行っている。2013年より現職。

リンクアンドモチベーションは2008年に現東証プライム市場に上場。CVCとしても出資先企業多数、約半数がIPOまたはバイアウトなど驚異的な確率を実現中。著書に『会社の品格』(幻冬舎新書)、『モチベーションマネジメント』(PHP研究所)など計28冊。累計発行部数は約100万部。 

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