
夫の協力はあるが生じた迷い
36歳の会社員、Kさんは2017年に1歳下の公務員男性と結婚した。
「子どもがいるのは当たり前、という地方で育ちました。自分はいずれ結婚して子どもを持つだろうと思っていましたし、欲しくないと思ったことはありません」
しかし、3年経っても妊娠しないので不妊治療を始めた。複雑な家庭で育った夫は、特に子どもを欲しがってはいなかったが「私が望むなら『もちろん』という感じでした。決めたことを着実にやるタイプなので、検査も、人工授精のため精子を取ることについても、嫌がらずにやってくれました」という。
治療を始めたところ、2人とも妊娠しづらいと判明。Kさんはすぐ日帰り手術を受けたが、夫は超多忙な時期で精神状態も悪く、医師から「人工授精もうまくいかないよ」と言われるほど、精子に元気がなかったという。Kさんは「夫は仕事が落ち着いた1年後に手術を受け、『同時に受けられなくてごめんね』と言っていました」と振り返る。
2022年の夏頃に夫の精子を子宮に注入しようとした際、Kさんがあまりに痛がるので治療が中止になった。「自身も不妊治療をしていた看護師の友人に話したら、『それって医療事故だよ』と言われ、心が折れてもうその病院には行かなくなりました」
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