子どもと接する仕事に「性犯罪歴を確認」する是非 小児性愛型の同種再犯率は5年間で5.9%

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(写真:ヨシヒロ/PIXTA)

子どもに接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」を導入するための審議が国会で始まった。

日本で、子どもに対する性犯罪が後を絶たない中、2022年にはいわゆる「わいせつ教員対策法」が施行された。そこでは、わいせつ事案などで教員免許を剥奪された者のデータベースを構築。本人が再取得を希望した際に、再犯の蓋然性が少しでもある場合は、「基本的に再授与を行わない」などの厳しい対応がなされることが決まった。

しかし、子どもと密接に接する職業はほかにも多数ある。教員だけを縛っても、抜け道がたくさんあれば、子どもの安全を守ることはできない。

子どもを性犯罪から守ることは、社会のわれわれ1人ひとりに課される重要な課題だ。性犯罪は、被害者のその後の発達に悪影響を及ぼしたり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のようなメンタルヘルスの問題を引き起こしたりする。

性犯罪の再犯率はどの程度?

子どもに対する性犯罪によって有罪となった者が、その後同種の犯罪を起こす割合(同種再犯率)は、どれくらいだろうか。法務省の調査では、小児性愛型の同種再犯率は、5年間で5.9%とされている。また、対象は子どもとは限らないが、痴漢の再犯率は36.7%、盗撮は28.6%と高い数字となっている。

性犯罪を防止するためには、さまざまな方法がある。それらは大きく、①厳罰的・抑止的アプローチと、②治療的・再統合的アプローチに分けることができる。

①は、厳しい罰や監視等によって、再犯を防止しようとするもので、刑の厳格化、GPSによる電子監視、化学的去勢、性犯罪者登録などがある。すでに英国で実施されているDBSは、この性犯罪者登録の1つのバリエーションといえる。

②は、治療、教育、福祉などのヒューマンサービスによって、再犯を防止するとともに、社会復帰を支援しようとするものだ。治療には、薬物療法や心理療法(認知行動療法)があり、福祉には居住場所の支援、職業訓練や就労支援などがある。

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