子どもと接する仕事に「性犯罪歴を確認」する是非 小児性愛型の同種再犯率は5年間で5.9%

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「わいせつ教員対策法」によって、性犯罪の前歴のある者から教員免許を剥奪し、長期間、あるいはほぼ一生にわたって教壇に立てなくすることは、物理的に犯罪の機会を剥奪することができ、再犯へのハードルは相当高くなると言えるだろう。

さらにDBSの導入によって、性犯罪の前歴のある者が、学校、保育所のほか、学習塾、学童クラブ、ベビーシッター、スポーツクラブ、芸能事務所など、子どもと密接に触れ合う機会のある職種に就く機会を剥奪することができれば、さらに安全性は高まるだろう。

この方法は、心理学的な視点からも理に適っている。刑務所や保護観察所で実施されている「性犯罪者再犯防止プログラム」では、性犯罪者の再犯を抑制するためには、「“引き金”を引かないことが鍵になる」と繰り返し教育する。

我慢だけではどうにもならない

たとえば、子どもに対する性犯罪の最も大きな“引き金”は、言うまでもなく子どもとの接触だ。さらには、子どもが集まるイベント、公園、通学路、電車なども同様に危険な“引き金”となりうる。

治療では、これら“引き金”をできるだけ多く見つけ出し、今後それをどのようにして避けていくかを考え、実際の行動を変容していく。ひたすら「我慢する」だけでは効果がないからだ。そもそも「我慢する必要がない」ような状況に身を置き続けることが重要なのだ。

再犯をしないといくら心に誓ったとしても、そしてその誓いが本心からのものであったとしても、“引き金”が引かれると、その誓いはもろくも崩れ去ってしまい、再犯に向かって坂を転げ落ちてしまう。反復される性犯罪は、「依存症」的な側面を有しており、意志の力だけではどうにもならない。

したがって、子どもとの物理的な接触をする機会をできる限りなくすことが治療の根本にあり、子どもと密接に接触する職業に就くということは、絶対にあってはならない。この意味において、教員免許の剥奪や、DBSの導入には大きな意味があるし、効果もあると考えられる。

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