「やりたいこと」が見つからないのはなぜ?4つのタイプでわかるキャリア迷子から脱出するヒント

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「自己アピールが重要」とされる風潮がある中で、そのように振る舞えない内向型人間は自己嫌悪に陥りやすく、かつ、自己評価が低い性質と主張ができない性質も相まって、キャリアデザインにおいて有利に働かないことが多いようです。

「何者でもない自分」はつらい

自己主張が得意でないタイプの中には、自己評価と他者評価のギャップに苦しんできた人も多いでしょう。

周囲の期待や高評価を、自分が実際に感じている自己像とどうしても一致させられず、その差を埋めようと懸命に努力してきた経験があるかもしれません。

私も、幼い頃からこのギャップに悩まされ、他者の期待に追いつこうと奮闘していました。自然と「相手の期待に応えられる自分にならなければならない」という意識が生まれ、学校での成績のように、目に見える評価に注力するようになりました。

受験や仕事の選択においても、常に、「自分がどうしたいか」よりも、「求められる自分でいるにはどうすべきか」を基準にしてきました。その選択基準に対して大きな疑問を感じることもなく、「そういうものだ」と受け入れてきたのです。

しかし、他人軸での選択を重ねたり、決められたことを全力でがんばっている人、完璧主義な人ほど、「自分は何者でもない」という感覚に陥り、苦しむことがあります。

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私は、第2子妊娠中に退職した際、とあるアンケートの職業欄で手が止まり、「社会に席がない人間になってしまった」という喪失感を味わいました。

もちろん、実際には違います。働いていなくても、専業主婦(夫)でも社会に居場所はある。ただ、そのときの私はそう感じてしまったのです。「途方に暮れた」という表現が近いかもしれません。

このときに初めて、自分がどれほど「働くことに自分の居場所を見出していた」かに気づき、「何者でもない自分でいることの苦しさ」を実感しました。働くことが生きがいの一部であり、自分の存在価値を感じる方法の1つだったと改めて気づかされたのです。

やりたいことがなくても、強いWillがなくても、「働くことそのもの」が幸せに生きる上で大きなウエイトを占める――私は「働くことに救われた」と感じています。

森数 美保 株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家

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もりかずみほ / Miho Morikazu

大阪大学卒業後、新卒一期生として人材紹介会社ジェイ エイ シー リクルートメントに入社し、最年少マネージャーを経験。その後、株式会社Misoca(現・弥生株式会社)、株式会社キャスター、株式会社ミライフ等を経て2024年株式会社Your Patronum(ユアパトローナム)創業。代表取締役に就任。「チームの行動を変容させ、強い組織をつくり事業を伸ばす」をミッションに、法人向けの組織開発コンサルティングサービス「ユアパト」、個人向けのキャリア支援サービス「キャリパト」を提供している。名古屋在住。16歳女子、13歳男子の母親。社会保険労務士有資格者

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