「面子の重視」が生む、欧米人との6つの"ずれ"場面…背景には日本人が重視する「恥の文化」がある
相手のポジティブ・フェイスを脅かす典型的な行動です。例えば、意見に対して直接的に「それは間違っている」と言うことは、相手の自己肯定感や社会的評価を脅かします。
ネガティブ・フェイスに対する脅威です。特に日本では、直接的な依頼が相手の自由を侵害すると感じられるため、間接的な表現や敬語を使って、依頼の負担感を軽減することが重要とされています。
「過度な賞賛」はプレッシャーになることも
ここからはFTAの具体的な例として、①褒め方、②叱り方、③謝り方、④誘い方、⑤断り方、⑥依頼の仕方について、それぞれのケースでフェイスがどのようにかかわるか、異文化間での違いなどについて、ユニークな事例を交えて説明しましょう。
①褒め方
褒める行為は、一見相手のポジティブ・フェイスを強化するように思われますが、場合によっては逆効果になることもあります。褒める際、相手が「自分の能力を過度に評価されている」と感じると、プレッシャーや不快感を与えてしまう可能性があるのです。
日本では、控えめな自己表現が尊ばれるため、過度な賞賛は相手にプレッシャーを与え、ネガティブ・フェイスを脅かすことがあります。「すごく頑張ったんですね」と言われると、次も同じレベルの成果を期待されているように感じるのです。
アメリカでは、褒め言葉は頻繁に使われ、相手のポジティブ・フェイスを尊重する一方、褒められることに慣れていない文化の人には逆に「これくらいのことで大げさだ」と感じることもあります。
②叱り方
叱るという行為は、どの文化にも見られる普遍的な行動ですが、その方法や目的は文化によって大きく異なります。
叱り方において、日本は「恥の文化」の典型例とされています。恥の文化では、他者からの評価や社会的な立場が重要であり、叱る際にもその人が社会においてどう見られるかを意識します。日本の企業文化では、叱る際に他者の前で個人を責めるのではなく、個別に話をする傾向があります。
また、叱る際にも「この点はもう少し工夫できるかもしれませんね」といった、遠回しな表現が使われます。これは、本人の「面子」を守りつつ指導を行うためです。
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