「面子の重視」が生む、欧米人との6つの"ずれ"場面…背景には日本人が重視する「恥の文化」がある

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逆に、「罪の文化」が強い西洋社会では、個人の道徳的責任が重視されるため、間違った行動に対しては直接、個人を責める形で叱ることが一般的です。

ですので、「この部分が間違っているので、次回からはこうしてほしい」や「この方法ではうまくいかないから、他のやり方を考えましょう」など、公の場でも普通に叱責が行われています。個人に働きかける傾向が強いのです。

他の文化圏では理解されない「日本特有のニュアンス」

③謝り方

謝罪は、特に相手の気持ちや立場に影響を与える行為です。相手の気分や事物などを損ねたことを認め、それを補う形で行います。謝り方によっては、相手の気持ちをさらに傷つけることもあります。

日本では、謝罪は非常に重視され、誠意を持って何度も謝ることが一般的です。しかし、あまりに多く謝罪すると相手のフェイスを逆に損なうことがあるため、適切に行うことが重要です。

簡単に謝罪しない文化も存在します。訴訟大国のアメリカでは謝罪をすると、その行為が裁判で自分に不利に働く可能性があるため、特にビジネスや法的なシーンでは避ける傾向にあります。「謝罪=過失を認める」と解釈されることが多く、リスクを回避するため慎重になるのです。

日本の会社で行われた会議で、ある外国人が遅刻した際に"Sorry for being late."(遅れてすみません)と1度だけ、簡単に謝りました。その場にいた日本人社員は「誠意が伝わってこない」と感じたといいます。これは、謝罪の感覚の違いがはっきりわかる事例でしょう。

④誘い方

誘う行為は、ときとして相手に対して「断りにくい状況」をつくり出してしまうので注意が必要です。相手が無理に応じなければならないと感じないように、優しく、そして柔らかく誘うことが理想的です。

日本では、誘いを断りやすいよう配慮がなされることが一般的です。「もしよろしければ、次の週末にお茶でもいかがですか?」というような柔らかい表現が使われます。

アメリカでは、より直接的な誘い方がされます。"Are you free this weekend? Let’s go for a coffee!"(今週末は時間がありますか? コーヒーを飲みに行きましょう!)のような形で、相手のスケジュールを確認した上で誘うスタイルが一般的です。

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