再スタートを切った《沖縄国際文化祭》 地元主体で再出発のいまと、これからに向けた課題
2つ目が、本文化祭のメインイベントのひとつの位置付けになり、新たな企画となった縦型ショートドラマのアワード「World Short Drama Awards 2025」だ。第1回となった今回、世界5カ国から714本の応募作品が集まり、7つの部門の受賞を競った。いままさに市場が拡大しつつある次世代エンターテインメントコンテンツのアワードのポテンシャルの高さが示された。
ここからは、最新のクリエイティブが集まるアワードの成長と同時に、沖縄が縦型ショートドラマのクリエイターが集まる制作拠点になっていくことも目指している。まさに、沖縄におけるエンターテインメント産業創出を掲げる本文化祭が打ち出す新機軸になりそうだ。

3つ目が、沖縄のさまざまな社会課題をビジネスで解決することを目的にするソーシャルビジネスのシンポジウム「ソーシャルビジネス・フォーラム」。4年ほど前から、前身のプログラムとしてワークショップおよびコンテストを実施し、さまざまな社会課題が山積する沖縄でソーシャルビジネスを創出する取り組みが行われてきた。本文化祭のスタートとともに次のフェーズに入り、社会実装をテーマにする講演とパネルディスカッションが実施され、これまでとは異なるスタンスでさらに一歩踏み込んだ。
沖縄各地の埋もれたお宝の売り出し方法
最後に、新たな視点のプログラムとして注目されたのが、元サザビーズジャパン代表・柴山哲治氏による特別プログラム「オークショニアスクール」。沖縄の各地に埋もれた価値の高い工芸品や民芸品など「モノ」のほか、それぞれの地域ならではの「コト」を販売する仕組みとしてのオークション事例を学び、入札手段としてオークションを活用することで、沖縄のお宝を世に売り出すことを掲げた。
那覇文化芸術劇場なはーとで開催されたいずれの気鋭プログラムも盛況だった。まずは新たな企画への県民の関心をつかんだようだ。
そのほかにも、2日間通して行われた音楽フェス「GIRLS GROOVE INNOVATION」(豊崎海浜公園 美らSUNビーチ)、さまざまな映画の上映&出演者、監督によるトークイベント、沖縄県41市町村の魅力を映す縦型動画から誘客を目指す「沖縄41市町村 PRショート動画コンテスト」など各プログラムが週末の沖縄を盛り上げた。

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