「テイスト・ザ・ワールド」は、このキッチュという言葉がぴったりなんです。店内はお金をかけた内装とは言い難く、ぶっちゃけるとけっこうボロいのですが、配色や家具のセレクト、建具や小物のひとつに至るまで、全てがキッチュです。

食を通して旅を楽しむモーニング
今回、筆者が利用したのは外苑前店です。
コンクリート剥き出しの天井にざっくりとペンキが塗られた店内には、大きな楕円のダイニングテーブルが1台。そこには12脚の椅子が隙間なく並んでいる、いわば全員が相席という「ゆったり落ち着いた」の対極にある、下手すると「居心地悪いな」と思いかねない環境なのですが、絶妙な秘密基地感があり、意外にも居心地は良好です。
厨房の壁付けのオープン収納には調理器具や調味料が無造作に並び、大きなペンダントライトは舶来ものの80年代ヴィンテージ的な生地でカスタム(世界旅行の気分を味わえるよう、航空会社のテキスタイルのよう)。
外国の小さな食堂に迷い込んだような、既視感が漂い、ラフなニュアンスがおしゃれムードを醸し出します。

調べたところ、この店のオーナーは東京芸術大学を卒業した一級建築士とのこと。
マイナスポイントになりかねない店内の古さを魅力的に変換する空間演出の巧みさや、食事前に提供される印刷物の配色やフォント選び、写真のコントラストの調整具合まで、ため息がでるほど見事で「なるほど納得のセンスとスキル。さすが芸大、さすが一級建築士!」と、叫びたくなるほど。
一見すると、朝食プレートの価格が2000円以上というのは高く感じるかもしれません(少なくとも筆者は高いな〜と思ってました)。でも、今は高くはないと感じています。
利用客は半数がインバウンドの外国人観光客で、半数がおしゃれな若者でした。「彼らは新しい食事体験はもちろんのこと、キッチュな世界観を楽しむためにこの店に訪れるのだなあ」と、妙に納得した朝です。
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