「18年の歴史に幕」時速300kmで普通に会話できるグランドツーリングカーを目指し、進化を続けた日産R35型「GT-R」販売終了へ

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1995年にデビューしたR33型スカイラインGT-R
1995年にデビューしたR33型スカイラインGT-R(写真:日産自動車)
1999年にデビューしたR34型スカイラインGT-R
1999年にデビューしたR34型スカイラインGT-R(写真:日産自動車)

ただし、R32以後のR33型やR34型のスカイラインGT-Rの時代は、制覇すべきレースが国内にも世界にも見当たらない状況があった。一般に、レースに出場するための車両は、規則の中であるとはいえ改造が許され、より速く、かつ安全に競技を戦えるようにする。その規則の決め方によっては、量産市販車として売り出された際の素性のよさだけでなく、改造の度合いで勝敗が決まることもあり、GT-Rの素性のよさが活きるとは限らない時代になった。このため、スカイラインGT-Rは、いったん区切りをつけるに至り、R34型スカイラインGT-Rは2002年に生産を終了したのであった。

なぜR35というGT-Rが生まれたのか?

2007年10月24日にデビューしたR35型ニッサンGT-R
2007年10月24日に発売されたR35型ニッサンGT-R(写真:日産自動車)

R34生産終了後の空白期間、世間から復活を期待される一方で、日産は、それまでのレースでの勝利という目標を失ったGT-Rの行き場を探ることになった。

そして、2007年に復活を遂げたとき掲げられたのが「時速300kmで普通に会話のできるグランドツーリングカー」という姿である。また、世界で販売することを前提に、スカイラインではなくニッサンGT-Rという位置づけも新たに設定された。そこで競合になったのがポルシェだろう。

改めてポルシェの価値を確認すると、速度無制限区間を持つドイツのアウトバーンを超高速で移動することはもちろん、サーキット走行をこなし、同時に、日常的に街を走る場面でもポルシェという手ごたえが感じられ、かつ安全に使える高性能車であることだ。

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