20代でこだわりたい、失敗を取り戻す≪努力の質≫とは?~アラサーで“現実”に直面し、”夢や目標”を修正する必要性に迫られる前に~

「挫折」の本当の意義を解き明かしていきます(写真:Pangaea/PIXTA)
20代は挫折、失敗など当たり前。ただし、大事なのはただもがくだけではなく、失敗を取り戻す「努力の質」について、しっかり考えることだと齋藤孝明治大学教授は語ります。今でこそ、大学教授の枠を超えてメディアで大活躍する齋藤先生自身、20代は失敗、挫折の連続でした。では、一体その原因はどこにあったのか?
そこで本記事では、齋藤孝先生の新刊『悩み続けてきた「僕」から君たちへ 社会人1年生に伝えたい成長と成功の本質』より一部を抜粋・再編集し、齋藤先生自身の赤裸々な経験談とともに、「挫折」の本当の意義を、教え子である「君」への手紙で解き明かしていきます。
「挫折」について
20代はまだまだ迷ったり、つまずいたりしてもいい時期だ。
ただし、どれほどもがいても、人に理解してもらえなかったら、残念ながら、その努力は意味をなさない──。
ただし、どれほどもがいても、人に理解してもらえなかったら、残念ながら、その努力は意味をなさない──。
僕らの時代も、大学を卒業したら就職して、社会人としてのスタートを切るのが普通でした。僕がいた法学部はとくにです。が、そんななかで僕だけが大学院に……。
研究者になるつもりでしたから何もおかしなことはないのですが、まだ学生の身分であるということに、大きな違和感を覚えていました。
大手企業に就職してけっこうな額の初任給をもらっている友人と比べて、自分はなぜ給料をもらうどころか、学費を払っているのだろうと疑問に感じていたのです。
そのため、学校にスーツを着て行ったり、大学院の先生に生意気な態度をとったりしてしまったわけですが、これが思いのほか長引いて、気がついたら33歳に……。
「なぜ思い通りにいかないのだろう」という思いを抱いたまま、大学卒業から10年もの歳月が経ってしまった。ずいぶんなこじらせようですよね。
といっても、僕の場合、うまくいかないこと自体に挫折を感じることはありませんでした。なぜなら、自分のやりたいことについては何の迷いもなかったからです。
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