20代でこだわりたい、失敗を取り戻す≪努力の質≫とは?~アラサーで“現実”に直面し、”夢や目標”を修正する必要性に迫られる前に~

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自分に期待するというのは、決して悪いことではありません。大事なのは、自分への期待値を逆算したうえで、「ならば今はこれをきちんとやっておこう」と現実に即した“道筋”を考えていくこと。そのあたりの見極めは非常に難しいのですが、自分なりに期間や年齢を設定しながら考えてみるとよいかもしれませんね。

“現実”に直面するとき

私は法学部時代、司法への道も考えていました。ただ、その頃の旧司法試験の合格率は2%程度。極端な“狭き門”だったのです。

当時、40歳になっても司法試験を受け続けているような人が東大の図書館にいました。その人の周りだけ、ただならぬ空気が漂っていたのを今でも覚えています。

僕はそうした人を見た瞬間に、自分は違うなと思いました。夢を追うのは素晴らしいことですが、自分には、そこまで司法の世界にこだわりがあるわけではない。

そもそも僕には「夢」という概念がなく、「いつかきっと、みんな僕の書いたものを読むようになるさ」と、のんきに構えていたところがありました。でも、さすがにいつまで経っても評価されないと、焦りも感じるし不安も覚えるようになる。周囲からの評価が得られなければ、やりがいも喜びも自信も生まれません。

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そうした“現実”に直面するのが、おそらく20代後半から30代前半なのでしょう。

世の中がわかってきて、夢や目標を修正したり、自身の考えややり方を変える必要性に迫られることになる。

そう考えたら、20代というのはまだまだ迷ったり、つまずいたり、紆余曲折していい時期だと言えますよね。

まあ極論を言えば──僕の真似をそこまでする必要はありませんが── 33 、34歳くらいまでは、いくら失敗してもいいし、しかられてもいい。それまでに未来への道筋が見えてくればそれでよし、と。

君の先輩にもいましたし、何より僕の姿を見れば、20代は転んだり、勘違いしたり、間違えたりしても大丈夫なんだと思ってもらえるのではないでしょうか。

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞。日本語ブームをつくった『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。

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