大船渡、今治、岡山…相次ぐ大規模山林火災 「山火事の原因」の6割《人為的要因》とは何か? たき火で「絶対やっていけないこと」とは?
大船渡市、今治市ともに出火原因は今のところ不明としているが、このように林野火災の多くは雷などの自然発火に起因するものではなく、人為的な要因で起きている。
そして、それらが大規模化する背景にあるのが、乾燥と強風という2つの自然現象だ。
延焼速度が速くなる気象条件
まず乾燥についてだが、今年2月の大船渡の降水量は2.5平方ミリメートルで、2024年2月の37平方ミリメートル、1991~2020年の2月の平均降水量41平方ミリメートルと比較しても降水量が少なく、乾燥状態にあった。
そして強風に関しては、大船渡市の林野火災が発生した2月26日の最大瞬間風速は18.1メートル/秒。乾燥注意報が発表されるなか、強風が火の手を広げ、被害が拡大した。
発生日当日に焼損した面積は、およそ600ヘクタールにものぼる。
「延焼速度が速くなる気象条件が揃っていたことが、大規模化につながったと考えられる。一般的に焼失面積が400ヘクタールを超える規模になると、消防の力だけで消火するのはきわめて難しい」と、京都大学防災研究所特定准教授の峠嘉哉氏は説明する。
峠氏が参考にするのが、2017年に岩手釜石市で起きた林野火災だ。413ヘクタールの焼損面積のうち、初日に400ヘクタールが消失した。
大規模化した要因の1つとして、峠氏は木の枝や葉全体が燃え、飛び火を生じやすい「樹冠火(じゅかんか)」があったと指摘する。
林野火災はその形態によって大きく、地表火、樹幹火、樹冠火、地中火に4分類される。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林保険センターによると、地表火は落ち葉や枯葉など、表面にある可燃物が燃えた状態、樹幹火は木の幹が燃えた状態、樹冠火は枝葉全体が燃えた状態、地中火は地中に堆積している有機質が燃えた状態を指す。
「落ち葉などが燃える地表火だけでなく、釜石市の林野火災同様、大船渡市でも樹冠火が発生した可能性があると考えています」(峠氏)
峠氏は、さらに、スギなど葉に油分を含む燃えやすい樹木であったことや、リアス式海岸という入り組んだ地形で消防車や消防隊員が入りにくく消火活動が難航したことなども、大規模化した要因として推察する。
今治市や岡山市との共通点としては、やはり乾燥・強風がある。
峠氏は「今年は特に太平洋側は乾燥する傾向がある」としたうえで、「大船渡だけの問題だとは考えず、太平洋側全体で共通して燃えやすい状態になっているという認識のもと、特に火の取り扱いに注意してほしい。火を使う際には、乾燥注意報や強風注意報などが出ていないか確認することも大切」と、注意喚起する。
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