パロ、AIBO、LOVOTも…人を癒やすコミュニケーションロボット再ブームの"真相" アメリカでは《医療ロボ》として活用
第2次ロボットブームでは、持続的事業の難しさとともに、技術の課題もあぶり出されることになりました。
たとえば、ユーザーの状況の理解といった人間に対するセンシング技術を高められるか。使っていても飽きることのない長期的な関係性を築くためのインタラクションを実現できるか。
このような技術的なハードルを越えていくことで、現在のコミュニケーションロボットの土台が用意されていったのです。
広がるコミュニケーションロボット
そして、現在、コミュニケーションロボットが再びブームとなっています。2000年代初頭のパロ、AIBOの誕生から20年ほど経った2020年頃から、コミュニケーションロボットの勢いが復活しているのです。
少し想像してみてください。
オフィスの一角で、小さなロボットが社員たちと和やかに会話を交わしています。また別の机では、仕事に疲れた社員がロボットに話しかけています。このロボット、実は社員のメンタルヘルスケアを担当しているのです。
こんなシーンがすでに一部の会社では日常になりつつあります。
近年、AIやソフトウェア技術の飛躍的な進歩により、ロボットの対話能力や感情認識能力が格段に向上しました。高度なAIを搭載したロボットは「AIロボット(Embodied AI/ Physical AI)」とも呼ばれています。
このような進歩によって、人間とロボットのより自然なコミュニケーションが可能になり、コミュニケーションロボットは再び脚光を浴びているのです。
興味深いのは、これらのロボットの開発に携わる企業の顔ぶれです。
従来の家電メーカーやロボットメーカーに加え、ミクシィやサイバーエージェントといったIT企業やモバイルゲーム企業も参入し、業界に新たな風を吹き込んでいます。ここからもコミュニケーションロボットの競争軸が、ソフトウェアに移っていることがわかります。
現在のコミュニケーションロボットは、2つのタイプに大別されます。
ひとつは「言語コミュニケーション型」で、人間との会話を主な機能とするロボット。もうひとつは表情や動作で感情を表現する「非言語コミュニケーション型」です。
たとえば、ソフトバンクの「Pepper」は言語コミュニケーション型の代表格です。一方、ソニーの新型「AIBO」やGROOVE Xの「LOVOT(らぼっと)」は、愛らしい仕草や表情で人間の心を癒す非言語コミュニケーション型に分類されます。
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