「事細かく指示を出す」リーダーの末路。部下が自発的に動く!優れたリーダーがすべき「たった1つのこと」老子の教えに学ぶリーダーの要諦!

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、川の上流では、リーダーには重要な仕事があります。それは勢いを感知し、新たな積水を構築していくことです。つまりは、「形」を整えることです。この「形」は、たとえば、ビジネスの世界では、プラットフォームに該当します。このプラットフォームの構築こそがリーダーのやるべき仕事であり、そこに時間と労力を集中すべきです。

ただし、この仕事もまた苦行でもなければ、苦難に満ちた作業でもありません。この点に関し、老子は次のような趣旨のことを述べています。

「まずは、小さなこと、やさしいことから手を付けるべきであり、最初から困難や大事に取り組むべきではない」

容易な道を歩んでいくことが大切

このように容易さに着目し、そこから積水を容易に、しかも楽しく構築していくことが成功の鍵となります。この点で、徳川家康の有名な遺訓「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」とは対極的なものになります。

これはおそらく江戸時代に盛んになった朱子学の影響を受けて、刻苦勉励し、ゼロから積み上げていくことの大切さを説いたものだと思います。しかし、老子にかぎらず中国思想では、基本的にはこのような苦難の克服が称賛されることはありません。苦難であるという時点ですでに道から外れているのです。大切なのは、容易な道を歩んでいくことです。

ただし、そのためには、勢いを感知し、積水から流れていく水の軌跡についての正確な理解が求められます。老子は、これらについて豊富な知見を述べています。それらを活用し、無為にしたがう、すなわち「無の勢いにしたがう」ことにより、老子のいう「無為にしてなさざるはなし」、「終に大を為さず、故に能くその大を成す」ということが可能になります。

上流では小さな水の流れにすぎないものが、中流、下流にいくにしたがい大きな勢いとなり、だれもがそれをせき止めることができなくなります。このことによって、「なさざるはなし」「その大を成す」ということが可能になるのです。

この老子の智慧を正確に学び、実践で役立てれば大きな力を発揮するでしょう。是非とも、老子という書物を紐解いてください。

原田 勉 神戸大学大学院経営学研究科教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はらだ つとむ / Tsutomu Harada

1967年京都府生まれ。スタンフォード大学Ph.D.(経済学博士号)、神戸大学博士(経営学)。神戸大学経営学部助教授、科学技術庁科学技術政策研究所客員研究官、INSEAD客員研究員、ハーバード大学フルブライト研究員を経て、2005年より現職。専攻は、経営戦略、イノベーション経済学、イノベーション・マネジメントなど。大学での研究・教育に加え、企業の研修プログラムの企画なども精力的に行っている。主な著書に、『OODA Management(ウーダ・マネジメント)』(東洋経済新報社)、『イノベーション戦略の論理』(中央公論新社)、『OODALOOP(ウーダ・ループ)』(翻訳、東洋経済新報社)などがある。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事