小学校の人気者が、中学で孤立もーー46%がいじめを経験する「発達障害の子どもたち」の苦悩 周囲の大人は何ができるか
次にADHDの典型的な症状としては以下のことが挙げられます。
1, 多動
2, 衝動性
3, 不注意
多動の具合は人によってまちまちですが、小児期では、授業中にもかかわらず、おしゃべりが止まらない、ひどい貧乏揺すりをする、体を揺らしてしまう、手足をもじもじ動かしてしまうなどです。立ち歩いてしまうような子もいますが、割合としてはそれほど多くはありません。
衝動性は、ちょっとしたことでカッとなってしまう、手を出してしまうなどです。会話をしている時に思ったことをどんどん言ってしまうというのも衝動性の1つです。この症状が強く出ると周りの状況や相手の様子を考えずにどんどんとしゃべってしまうため、それが原因で浮いてしまうこともあります。
不注意は、忘れ物が激しいことや、物をなくすことが多いなどが挙げられます。授業に集中できない、片付けができないというのも不注意の症状の一つです。成人になると、ケアレスミスが多い、指示を忘れてしまうことなどがみられ、学業や仕事のパフォーマンスに影響が出ます。
上記のような症状は、本人が気をつけることで対応できる場合もあります。また対人関係は得意なことが多いため、顕在化しないで過ぎてしまう人もいます。
発達障害46%がいじめを経験
――先生は増え続けるひきこもり、不登校問題と、発達障害はリンクしていると言われます。なぜでしょうか。
私はこの両者の問題は非常に関連性があると見ています。昭和大学烏山病院において、発達障害のある成人患者749人にアンケート調査をしたところ、18歳までにいじめにあった体験のある人は46.6%もいたのです。また、不登校も19.8%と高い割合を示しました。
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