小学校の人気者が、中学で孤立もーー46%がいじめを経験する「発達障害の子どもたち」の苦悩 周囲の大人は何ができるか

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上記のデータは、ASDのものですが、不登校やひきこもりは、ADHDでも珍しくありません。例えば、ADHDの人の場合、人と接する時のファーストタッチがうまく、すぐに人と仲良くなります。しかし、良好な関係が長続きしにくいのです。なれなれしいと言われることもありますし、不用意な発言が多くて孤立することもあります。

周りの大人の正しい支援が必要

意外と多いのが小学校時代は人気者というケースです。小さい頃は「面白い子」と受けとめられて過ごすのですが、中学生くらいになると上記のような理由から、だんだんと孤立することがあるのです。ADHDの子の通知表を見ると、先生から「面白い子」だと非常にかわいがられる子と、「困った子」だと疎まれる子に分かれることが多く、同じ子でも、担任の先生が代わったらまったく評価が変わってしまったということもあります。

残念ながら、当たった先生の対応によりお子さんがつらい思いをしていることもあるのです。そのため、友達や先生との対人関係がうまくいかずに不登校になってしまう子もいます。

ADHDは、神経伝達物質の機能障害からくる症状という見方が強くなっています。脳の機能障害が全くないわけではないのですが、神経伝達を良好にするための薬が効くため、投薬で症状が緩和されることが多いです。

例えば、投薬することで日常生活に支障をきたしていた不注意などが治まることもあります。冒頭で生まれながらに持った特性とお伝えしましたが、ADHDについては神経伝達物質の機能障害のため、脳炎や交通事故などの後遺症として起こる場合もあることが報告されています。いずれにしても、周りの大人が正しく支援をすれば、不登校やひきこもりに陥る子を減らせると思います。

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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