写真家・ヨシダナギ、“東京脱出”の真相 島に移住して得た心の平穏と少数民族への熱情
「モデルになったおじいちゃんの手が、すごくかっこよくて。手に生きざまが刻まれていると思いました」
『クレイジージャーニー』で強烈なインパクトを残した2015年のデビューから、10年。この節目に、『ヨシダナギ写真展 HEROES-RELOADED-』が全国で始まる。ヨシダナギは展示会場を転々としながら、これまでと変わらずカメラを持って国内外を巡るのだろう。
その最終目的地は、「HEROES -THE FINAL-」。とても長くてハードな道のりが待ち受けているが、今のヨシダナギには旅の合間に羽を休める屋久島がある。
元気な姿で帰って、おじいちゃんに会いに行かなきゃ!
先日、同じ地区のおじいさんに「次の海外ロケはいつなんだ?」と聞かれ、「〇日から〇〇へ行くよ」と話した。すると、出発前日に「あっちでしっかり頑張って、帰ってきたら元気な顔を見せること。必ずココへ帰ってくるんだよ」と餞別をそっと渡された。
この10年、自分も家族も海外の辺境に撮影に行くことが当たり前になっていたため、こんなにも気にかけてくれる人がいたことに「涙が出そうになりました」とほほ笑む。
「正直、今までは万が一、渡航先で事故やトラブルに巻き込まれても、自分が選んで行った国なので仕方ないという半ば諦めに近い覚悟でロケに行っていました。でも、おじいちゃんのおかげで、『ちゃんといい作品を撮って、元気な姿で帰って、おじいちゃんに会いに行かなきゃ!』と気を引き締めなおすことができました」
次の目的地は、南米。餞別を鞄に入れたヨシダナギの、新しい旅が始まる。

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