「学童」には”質の高い学び”を提供できる可能性がある!開成高・東大卒・BCG出身の安野貴博が考える”STEAM活動”の大切さ

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都内には、日本科学未来館(江東区)や科学技術館(千代田区)のような展示が主体の大規模施設はあります。子どもたちが各種先端技術にふれられてワークショップを受けられるTEPIA先端技術館(港区)や、各種科学体験プログラムを受けられるIMAGINUS(杉並区)のような公的施設は貴重です。

STEAMコンテンツは、内閣府、文科省、経産省など政府一丸となって学校への導入を推進しているものの、学校現場で十分に浸透しているとはいえず、私立や放課後教室等で教育を受けている子どもとの格差が大きくなりやすい分野です。

小規模なものでいいので、子どもたちの生活圏内に、ハード(3Dプリンターなど)とソフト(コンテンツ、スタッフ)の両面からSTEAM活動に触れられる「新世代」児童館や学童クラブが増えていくことは、社会にとって計り知れない財産になるでしょう。

「未踏ジュニア」事業という好事例

校外学習の優れた事例の一つとして、経済産業省所管の情報処理推進機構が実施する「未踏事業」から派生した「未踏ジュニア」というIT人材育成事業を紹介したいと思います。

未踏ジュニアとは、独創的アイデアと卓越した技術をもつ小中高生クリエーター支援プログラム。かつて私自身、「未踏事業」というIT人材発掘・育成事業のお世話になったことがありますが、未踏ジュニアはそれの子ども向け事業です(17歳以下が対象)。

まずは、子どもたちから提案書を募ります。どんなことに課題を感じているのか? それに対して、どういうソフトウェアやハードウェアを開発することで解決したいと考えているのか? 自分の思いとプランを提出してもらいます。

それが採択されると、社会で活躍する大人のエンジニアや実業家などがメンターとして割り当てられます。子どもたちは週に1度、メンターとのオンライン面談を行い、アドバイスをもらいながら開発を進めていきます。また50万円を上限とした開発資金の援助や、必要に応じて開発場所や工作機材などの提供を受けることもできる仕組みです。

とくに顕著な成果を残したクリエーターは「未踏ジュニアスーパークリエータ」として認定され、慶應義塾大学SFCや東京都立大学、近畿大学に推薦枠で出願できます。

私自身も、メンターの一人として、この事業に関わっていますが、2023年度に担当したのは14歳の男子中学生で、彼はChatGPTを使って国会の議事録を解析するプロジェクトに挑戦していました。2024年度は、宮崎県に住む女子中学生のプロジェクトをサポートしています。

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