「学童」には”質の高い学び”を提供できる可能性がある!開成高・東大卒・BCG出身の安野貴博が考える”STEAM活動”の大切さ

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STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの分野のこと。ハード(3Dプリンター、PC、タブレット等)とソフト(コンテンツ、スタッフ)の両面を整備し、児童生徒がテクノロジーに接する機会をつくるのです。

個性に応じた多様な学びの選択肢をつくる

放課後の3~4時間というまとまった時間に、希望者に先端の学びに触れられる機会をつくることは非常に大きな意味があります。画一的な教育プログラムしかない環境では、どうしてもそれにフィットしない子どもが出てきてしまいます。

取りこぼされる子どもたち(とその保護者たち)をできる限り減らすには、一人ひとりの個性に応じた多様な学びの選択肢をつくることが重要だと考えます。

例えば発達障害の特性があったり対人コミュニケーションに困難さをともなっても、プログラマーとして優秀な人が多いことは業界内ではよく知られています。多種多様な職業や働き方の可能性に目を向けるよい機会にもなるでしょう。

学校教育の外側で、とくに「E(Engineering)」の領域で、技術を使って「モノをつくる」「発想を形にする」面白さを学ぶ機会があると、将来の仕事の可能性を大きく広げてくれるものとなります。

なぜなら、課題を発見し、その解決策を実装していくうえで、現代社会ではおよそあらゆるプロダクトやサービスや社会課題の解決においても、「技術」とは切っても切り離せないからです。

ほとんどの産業において、イノベーションといったときに、エンジニアリング力なくしてブレイクスルーとなるものを実装することはできません。商品やサービスを企画するにさいしても、エンジニアリングの素養がある程度あったほうが助けになるでしょう。

例えばイギリスには、STEM Learning Centreという政府助成の普及団体があり、小中高それぞれに対して教員に対する支援、教材・カリキュラム提供などを行い、学校向けのみならず、放課後教育や家庭教育も支援(STEM Clubなど)しています。

国内でも、近年オープンした石川県金沢市の「ミミミラボ」では、プログラミングのできるロボット、3Dプリンター、レーザー加工機、グラフィックや映像、楽曲の制作ができるソフトなどが自由に使える10代の子どもたちのための環境を用意しており、素晴らしい取り組みだと思います。

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