「低迷続く洋画」25年は盛り返す"これだけの根拠" 洋画離れの実態と、好転する要素を分析した

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昨年の邦高洋低の市況のなかでも、洋画配給会社すべてが低調だったわけではない。2010年代後半に100億円超えスーパーヒットを年間何本も生み出していたディズニーの2024年の年間興収は、洋画全体の実に43%を占めた。洋画が厳しかった昨年でも健闘している。

作品ごとに見ると、『インサイド・ヘッド2』のほか、『ウィッシュ』(36.1億円)などのアニメだけではなく、『デッドプール&ウルヴァリン』(21.1億円)といった実写でもコンスタントにヒットを重ねている。

モアナと伝説の海2
『モアナと伝説の海2』 ©2024 Disney. All Rights Reserved.

すでに今年も大ヒット中の『モアナと伝説の海2』に続いて、『ライオン・キング:ムファサ』『リアル・ペイン~心の旅~』『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』など実写が堅実なヒットを記録している。

ディズニーのローカル戦略

その背景には、地道なローカル施策がある。

ディズニーは、一昨年から昨年にかけて、全国の映画館やショッピングモールで、さまざまなローカルキャンペーンを実施していた。キャラクターのバルーンアートや、グラスボトル作りのワークショップのほか、フェイスペイントのコラボイベントなどを開催し、ファミリー層や若い世代の生活のなかに、ディズニー映画に触れるタッチポイントを作ることで、映画への興味関心を引き出した。

こうしたリアルの体験による世界観への没入や愛着の醸成が、より幅広い層のファンを作ることにつながった。それが興収にも結びついていることが、昨年の成績からうかがえる(関連記事:「続編ヒットしない」定説を破るディズニーの躍進

もちろんディズニーブランドあっての戦略と施策だが、そこには洋画復興へのひとつのカギが示されているのではないだろうか。

2010年代に、スタジオジブリ作品の巨大壁画(シーニック)がイオンシネマのロビーに掲示されて話題になったが、ディズニーは今年、ディズニーキャラクターの全長10メートルにおよぶオリジナルアートのシーニック展示を全国13都府県のイオンシネマ24館で順次スタートしている。

ディズニー 洋画 低迷
イオンシネマ板橋のディズニーシーニック(写真:ディズニー)
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