「低迷続く洋画」25年は盛り返す"これだけの根拠" 洋画離れの実態と、好転する要素を分析した

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただ、昨年の洋画不振には、ひとつの大きな要因がある。それは、ハリウッドにおける2023年の全米脚本家組合(WGA)と米映画俳優組合(SAG-AFTRA)の約半年におよぶストライキの影響により、大ヒットが期待されるシリーズ大作などの供給が滞った年になったこと。

コロナ禍後の洋画では、2022年は『トップガン マーヴェリック』(135.7億円)、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(63.2億円)、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(46億円)、2023年は100億円超えの『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のほか『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(54.3億円)、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(43.1億円)と、50億円規模の大ヒットがいくつも生まれている。

2023年(年間興収2214.8億円)は、歴代最高の2019年(2611.8億円)に迫る好成績となり、映連は映画興行のコロナ禍からの完全回復を宣言していた。その流れから続く昨年は、ハリウッドのストライキの影響による強力なタイトル不足によって、洋画全体の興収が下がったのが実態だろう。

そのぶん2025年は、スーパーヒットへの期待が高まるハリウッド大作のビッグタイトルが戻ってくる。

ディズニー 洋画 低迷
『白雪姫』のポスター(写真:筆者撮影)

昨年から今年にかけて『インサイド・ヘッド2』(53.6億円)、『モアナと伝説の海2』(公開中/50億円超え)と2019年以来5年ぶりの50億円ヒットを連発し、本格復調の兆しを見せるディズニーの『白雪姫』『リロ&スティッチ』『ズートピア 2』などのほか、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』『ジュラシック・ワールド/復活の大地』『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』など50億円超えの実績があるシリーズ作品の続編が目白押し。昨年の年間興収を上回るのは間違いないだろう。

近年続く“洋画離れ”がより深刻化する背景

一方、近年続く、若い世代を中心にした“洋画離れ”と言われる状況が、アフターコロナに深刻化している現実もある。

SNSやYouTube、TikTok視聴などのスマホ利用が昨今の若者たちの可処分時間の大半を占めると言われるなかで、高い鑑賞料金を払って映画館に行かなければならない映画鑑賞は、一部の世の中的な話題になるイベントムービーを除き、彼らの余暇時間の選択肢に入らなくなっている。

そうしたなか、身の回りの出来事として親近感や共感を抱きやすい邦画と比べると、洋画はさらに厳しい。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事