英語の「仮定法現在」で命令文を意識すべき理由 語源に留意して仮定法現在の本質を理解する

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イギリスではのちに、「原形の前には助動詞should」という発想でshouldが挿入されたのだ、といわれています。このように、仮定法現在についてはアメリカ英語とイギリス英語の間でやや開きが見られます。特に読んだり聞いたりする際は、さまざまな形に柔軟に対応できるようにしておきましょう。

suggestが持つ2つの意味

次の英文を見てください。suggestが使用されているにもかかわらず、後ろの動詞が原形になっていません。

The analysis suggests that the company is financially stable.
「分析は、会社が財政的に安定していることを示唆している」
→現在既に安定している。わざわざ命令文の感覚を込める必要はない
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なぜ仮定法現在が適用されていないのでしょう。それは、suggestが「示唆する」という意味で使われているからです。仮定法現在は、「今後そうなってほしい」という命令文の感覚を含む表現です。

しかし、「示唆する」に「今後そうなってほしい」という感覚はありません。「事実としてほのめかす」くらいの意味で、そこに願望や意図などはありません。そのため、仮定法現在が適用されないのです。

suggestに仮定法現在が適用されるのは、「提案する」という意味のときに限られます。「提案する」のときは、「今後そうなってほしい」という気持ちが込められるからです。

英文法は語源から学べ!
(『英文法は語源から学べ!』より)

他には、insist「要求する/主張する」も同様の性質を持ちます。「要求する」のときは仮定法現在と結びつきますが、「主張する」のときは結びつきません。次の例文を見てください。原形のbeではなく、isが使用されています。

He insists that he is innocent.
「彼は無実だと主張している」
→現在既に無実。わざわざ命令文の感覚を込める必要はない

仮定法現在が適用されないのは、主張をしている「彼」にとっては、「無実だ」というのは既に事実であるからです。既に事実である以上、わざわざ「今後そうなってほしい」と命令文の感覚を込める必要がないのです。

渡辺 雄太 マナビメイト代表

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わたなべ ゆうた / Yuta Watanabe

マナビメイト代表。県立山形南高校を卒業後、一年の浪人を経て東京大学へ進学。首都圏にて、東大/医学部等を志望する最難関中高一貫校の生徒千人以上に英語を指導。そのかたわらで「N先生」のネーミングで『死ぬほどわかる英文法ブログ』を開設し、最高22万PV/月を達成。Udemyでは30以上の講座を展開し、その大半がUdemy Business(上位数%の講座)に選出。わずか1年で上位人気講師に名を連ねる。受講者数はのべ8万人を突破。

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