英語の「仮定法現在」で命令文を意識すべき理由 語源に留意して仮定法現在の本質を理解する
次の例文も同じです。「今後そうなってほしい」という命令文の意味合いが込められています。上の例ではdemand「要求する」という動詞、下の例ではnecessary「必要な」という形容詞が使用されています。
「従業員たちは、労働条件が改善されることを要求した」
→今後改善されてほしい
「プロジェクトを締め切りまでに完了させる必要がある」
→今後プロジェクトが完了されてほしい
昔の英語では、仮定法現在と命令文とで、使われる動詞の形は異なっていました。しかし、両者は同じ感覚を共有していたため、形の上で合流したのかもしれません。ちなみに、仮定法現在は「命令をあらわす仮定法」と呼ばれることもあります。
下記には仮定法現在をとる動詞と形容詞の代表例を示しておきます。1つずつ暗記するというよりは、ざっと全体を眺め、「提案/命令/要求」という意味の傾向をつかむことを大切にしてください。

アメリカ英語の原形、イギリス英語のshould+原形
これまで見てきたのは主にアメリカ英語の話です。イギリス英語では、原形の代わりにshould+原形という形にすることが多いです。
She suggested that he should work harder.(英)
「彼女は彼がもっと一生懸命がんばるよう提案した」
「アメリカ英語ではshouldが省略されるのだ」という説明がなされることがありますが、歴史的には真逆です。17世紀にアメリカ大陸へ渡った人々の間で、原形を使う用法が保持されたのです。
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