普通預金は流動性、定期預金は貯蓄性、というように、本来はそれぞれの特性を知って、それを生かした使い分けをするのが望ましい。先に書いたように、普通預金はあくまで生活口座と考え、引き出し手数料の無料回数や、振込手数料の安さ、アプリが使いやすいといった利便性重視で選ぶ方が現実的だろう。
通常の定期預金金利も1%超えへ
お金を貯めるという純粋な目的に立ち返れば、やはり定期預金の金利は無視できない。冒頭に書いたように、夏・冬ボーナス時期の特別金利はすでに上昇しているが、通常の定期預金の金利にも動きが出ている。
3メガバンクは、3月3日から定期預金の金利を改定した。ネット系銀行では、さらに動きが激しい。スーパー定期1年物の金利に1%をつけたのが、UI銀行だ。オリックス銀行のスーパー定期も100万円以上預け入れの場合で0.85%、東京スター銀行も0.8%(円定期預金プラス。インターネット限定で預け入れは50万円以上)と、なかなかの金利を出している。auじぶん銀行のように、新規口座開設者に限り1年物1%という銀行もいくつか見られる。
面白いのは、預入期間が長い方が金利も高くなるのが定期預金のセオリーなのに、1年ものに限って高め金利をつける銀行が散見されることだ。
例えば100万円を5年以上預けっぱなしでいいかと聞かれると悩むが、1年くらいならまあいいか、と考えるのが人の常だ。銀行側もそれを承知の上で、これをきっかけに羽振りのいいお客が集まってくれればありがたいと考えているのだろう。1月の消費者物価の総合指数が4%と聞けば、確かにもう一声の預金金利上昇を期待したいところだが……。
金利が上がり始めた昨年には、「定期に預けるなら1年物と、長くても3年物までをミックスで」と筆者は書いたものだが、今の上昇スピードを見ると、1年物をつないでいく方が安心に思える。少なくともボーナス時期のキャンペーン金利は1%前後となるだろうから、それを夏・冬と預け分けていくのもありだろう。
先のことが読めないのは投資も貯蓄も同じだが、「大化けは期待しないが着実にコツコツ増やしたい」なら、預金はそれほど不利な選択ではない。
(金利はすべて3月10日現在。数字は税込み)

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