そんなアランのフットワークの軽さと家事能力の高さをある日、まざまざと見せつけられた。午前、一緒に近くの港町のマルシェ(市場)へ。アランは慣れた様子で、オマールエビを品定めして購入。昼にはオーブンで焼いてふるまってくれた。午後は別の港へ。趣味のヨットに乗せてくれる。沖合で風を受け、ヨットは静かに進む。アランは大きな帆を張ったり、降ろして収納したり。かなり体力のいる趣味だ。
夕方帰宅すると、「秘密のデザートを作る」と言って長男と台所にこもる。その日の夕食はニナが用意したが、締めくくりには、ミルフィーユが登場した。パイ生地の間にカスタードクリームとイチゴ、フランボワーズ(キイチゴ)がはさまっている。男性2人でこんなかわいらしいお菓子を作っていたのかと思うと、ほほえましい。
夕食後、シャワーを浴びるため浴室へ行くと、アランが浴槽の掃除中。「ちょっと待って。はい、きれいになったから、どうぞ」と言う。入浴を済ませ、台所を通りかかると、アランは食器洗い乾燥機にお皿を入れているところ。まさに、大活躍の一日だった。
長男と次男がボール遊びをして騒いだり、けんかして次男が泣き叫んだり。長女と次女が口論して次女がむくれたり、アランの冗談にみんなで笑ったり。子だくさん家庭はにぎやかだ。アランとニナは目に余る場合は注意するが、基本的に子どもの自主性に任せている。個性豊かな子どもたちを見ているだけで、楽しい。やっぱり子どもは宝物なのだ。
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