就業率85%!フランス女性「働き方」の秘密

すべてを自分で抱えこんだりしない

母親だけに家事や育児を押しつけられるのでは、女性は子どもを産むことをためらうだろう。家事や育児を家族で分担していたアラン一家を通して、女性が子どもを産み、働き続けるためには、家族の協力が欠かせないと再認識させられた。

二の次にされる顧客へのサービス

女性だけでなくあらゆる労働者の権利が守られていることもあり、充実した休暇を過ごすことができる

フランスの法定労働時間は週35時間、年間の法定有給休暇は5週間。こうした労働環境が「共働き、子だくさん」を可能にしているのだが、一方でこれに伴う不便も少なくない。働く人の権利が顧客サービスよりも優先される、フランスならではの苦労を味わったのも今回の旅だった。

アラン一家の自宅を辞して、パリへ向かう列車に乗り込もうとしたときのことだ。同行した夫がレンタカーを駅の駐車場に止め、車のカギを返却しようとした。駅前の事務所は営業時間外だったため、返却ポストにカギを入れた。しばらくして、夫は「しまった」と叫ぶ。パスポートの入ったリュックを、レンタカーの後部座席に残したままだった。

日曜日のこの日、事務所の営業時間は午後3時から6時。開くまで待っていたら、予約していた列車に乗り遅れてしまう。リュックはガラス越しに車外から丸見えなので、車上狙いの多いフランスでは盗難の危険も大きい。見送りに来てくれたアラン夫婦とともに、「緊急時の連絡電話」にかけてみるが、「ホームページを見るように」といった音声案内が流れるばかり。

列車の予約を変更して3時まで待とうと、駅の窓口へ向かう。ところが、そこには長蛇の列。バカンスを終え移動する人が多いのに、2つしか窓口が開いていない。おまけに、案内板には「今日のパリ行きは満席」と書いてある。

万事休す。なかなか進まない行列に並んで途方に暮れていると、アランがやって来て、「大丈夫だ」という。たまたま、通りかかった駅長に窮状を話すと、レンタカー会社の従業員に連絡をとってくれたという。事務所の奥で書類の整理をしていた従業員が、ドアを開けて車のカギを渡してくれ、リュックを取り戻すことができた。こちらの不注意もあるが、レンタカー事務所の営業時間がもっと長ければ、こんなに気をもむこともなかっただろう。

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