「子どもの才能を無力化する」ダメな親の接し方 「信じていない」というメッセージになっているかも
覚えの悪い、なかなか成績が伸びない子がいたとしても、
・どうサポートしたらこの子が伸びるだろう
・もっと伝え方を変えてみよう
そんなふうに考えたのです。結果として、そう思いこんだ教師に教えられた生徒の成績は大きく伸びたのです。
これはまさに「大人扱い」ですよね。
親たちは我が子に期待をかけてしまう一方で、当たり前のことができないという現実に直面することで、一方的に指示・命令・禁止を繰り返すようになってしまいがちです。
・これだけ言ってわからないなら、もう無理なんじゃないか
・この子にサポートする時間を取るのは、お互いにとってよくないな
そうして、教え方の工夫をしなくなってしまうのです。
ピグマリオン効果が教えてくれるのは、教える側が、教わる側の可能性を「信頼」しているかどうかで、教育効果がまるで変ってしまうこと。もっと言えば、教える側が「疑う」ことによって、相手の可能性を奪ってしまうということにもなるという、残酷な事実です。
「信頼」と「信用」の違い
「大人扱い」とは子どもを「信頼」すること、と書きました。ですが、子どもを信頼したとて、あれこれ言わないと好き勝手してしまうのだから、信頼なんてできません……! と思ったあなた、わかります。
信頼して放っておいたら、
・遅刻する
・宿題しない
・ゲームばっかりする
そんな状態で信じてしまっていいんですか? そう思いますよね。そうなんです。信頼するとは、信じて放置することではありません。
「信用」とは、過去のできごとを元に、信じれるかを判断して用いることです。
「信頼」とは、未来について、できるようになることを信じて頼りにすることです。
信用を英語でクレジットといいますが、クレジットカードとは、過去の金融取引実績を見て、お金を貸せるかどうかを判断するものです。
子どもを信じると言っても、過去の行動をみたら、やるようになるとは信じることはできないですよね。
子どもの未来を信じることです。
今はできないかもしれないけれど、この子は未来、できるようになる可能性があると信じること。