「子どもの才能を無力化する」ダメな親の接し方 「信じていない」というメッセージになっているかも

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他方、「子ども扱い」は相手のことを信頼していません。言い換え前の声かけの根底には、じつは以下のような不信感があります。

・どうせ自分が言わないと、やらないだろう
・自分で考えて行動する力はない
・厳しく言わないと変わらない
・できないヤツは、どんな言われ方をされても仕方ない

それに対して、言い換え後の「大人扱い」は、相手への「信頼」を土台にしています。

・この人には、自分で決めて考えられる力があるはず
・この人がやらないのは、何か理由があるはずだ
・どうサポートしたら、この人が行動できるようになるだろう?
・この人の可能性を引き出せるような関わり方はできないだろうか?

「子ども扱い」をすればするほど、部下は「あなたのことを信頼していない」というあなたからのメッセージを受け取ることになります。

逆に「大人扱い」をすればするほど「あなたのことを信頼している」というメッセージを受け取るようになります。

この違いが、ものすごく大きいのです。

「ピグマリオン効果」の本当の意味

「ピグマリオン効果」というのをご存じでしょうか? 以下は、教育の世界では大変有名な実験です。

学校で生徒たちにテストを受けてもらって、ランダムにピックアップした生徒に「あなたは成績が伸びる可能性が高い、というテスト結果が出ました」と伝えます。するとそれを伝えられた生徒は、まったく根拠がなくランダムにピックアップされただけだったにもかかわらず、そう伝えられなかった生徒よりもかなり成績を伸ばした、というものです。

これは子どもだけでなく、軍隊などでも実験され、大人でも同様の結果が出ることがわかっています

このことをピグマリオン効果といって、教育期待効果とも呼ばれます。

この実験結果は、「本人が自分の可能性を信じると成績が上がる」ということを示しているのですが、もう1つ、私たちが学ぶべきポイントがあります。それが、「教える側が可能性を信じるかどうかが重要である」ということです。

この実験は、一部のテストを受けた生徒たちに「可能性がある生徒」だということを信じこませていたのですが、じつは生徒を指導する教師たちにも同じように「可能性がある生徒」信じ込ませていたのです。

教師たちは、この生徒は成績が伸びる可能性の高い子たちなんだと思いこむと、教え方が変わります。

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