「中野サンプラザ」建て替え計画が"迷子状態"の訳 事業費が当初計画ほぼ2倍で内容が次々変更
変更案によると、高層棟Aの低層階には商業施設、中層階にはオフィス、その上部に住宅、高層階にはホテル、展望施設を配置。高層棟Bには低層に商業施設、中層に交流施設を配して上部は住宅にすることになっている。ホールはツインタワーから切り離して低層の別棟に整備、最大収容人数7000人の規模は従来案通りだという。

この提案に対して区は2月22日に区民と区長のタウンミーティングを実施、3月には事業計画の見直し方針および今後のスケジュールを報告するとしており、最終的な結果がでるのはまだ少し先。いや、それが最終的な結果になるのかどうかは予断を許さない。
ここまで迷走するなら今さらながら建て替えなくてもいいのにと思う人もいるだろう。もともと200年持たせるつもりで設計されている建物でもあり、古い木造住宅などと違い、外から見てサンプラザが老朽化しているようには見えない。
そこで区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議にずっと委員として参加してきた地元の建築家、白江龍三氏に素直な質問をぶつけてみた。どうしても建て替えなくてはいけないほど、あるいは耐震に疑問があるほど老朽化しているのかと。
白江氏の答えは「建物の老朽化という言葉は適切ではない」というもの。RC造の建物の劣化は経年で外壁にひび割れなどが生じ、そこから侵入した雨水などが内部の鉄筋を腐食させるような形で進行する。
それを防ぐためには外壁や構造躯体の修繕が必要だが、現状のサンプラザは塗装されており、亀裂が入っても水が入りにくいようになっているという。だから、ちゃんと塗装を塗り替え、修繕を続けていけば建物は使い続けられる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら