「中野サンプラザ」建て替え計画が"迷子状態"の訳 事業費が当初計画ほぼ2倍で内容が次々変更

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だが、これが独り歩きし、そんなにかかるなら建て替えたほうがいいということになった。2018年時点で新宿コマ劇場、渋谷公会堂、東京厚生年金会館、ゆうぽうとホールなどサンプラザ類似施設が築50年前後(早いものでは40年弱)で閉館、新装オープンすることも参考とされた。「ヨソが建て替えるのだから、ウチも」というわけである。もうここには200年なんて数字はどこにもない。後は具体的な計画の実現に突き進むばかり。

2020年2月には最大収容人数7000人規模のホールを作ることを要件に民間事業者募集要項が公表され、同年8月から応募受付が始まり、2021年には市街地再開発事業の施行予定者が決定。

そして2023年7月には多くの人に惜しまれながらサンプラザが閉館した。11月15日には中野区より都市計画決定の告示がなされた。「Nakanoサンプラザシティ計画」始動である。

「事業費ほぼ倍増」で計画が変更に

ところが、この後、事態は大きく変わる。当初1810億円とされていた総事業費は2024年7月2日の施行認可申請時点で2639億円と1.5倍弱に増えており、さらにその2カ月後の9月2日には900億円増えると施行事業者代表の野村不動産から区に連絡があった。

事業費がほぼ倍増になることを受けて10月11日には計画を見直すため、施行認可申請が取り下げられた。予定では2029年度完成(当初は2028年度中予定)となっていたが、完成が遅れるのはもちろん、そもそも着工できるのかという状況である。

当初の建設計画(出所:都市計画決定時の事業者のプレスリリース「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定のお知らせより)

その後、2024年12月5日の区議会では野村不動産から新たな事業案の説明が行われた。大きな変更点は、採算性を改善するために住居部分を当初予定の4割から6割に増やすというものだった。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事