東大の英作文"英語力だけでは解けなかった"背景 社会や国語、ニュースの知識が問われる内容に

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自由に意見を述べさせる「自由英作文」と呼ばれる問題の一種ですね。2022年にも今回の問題と同じように「『芸術は社会の役に立つべきだ』という主張について、あなたはどう考えるか」という問題が出題されていました。

さて、この問題を一目見ておわかりだと思うのですが、この問題、日本語で考えることすら難しいです。英語の問題といえども、英語の知識があれば解けるという単純な問題ではまったくなく、社会や国語の知識、もっといえば日々のニュースを追っているかどうかが求められる問題です。

意見を言わない=同意なのか?

「意見を言わないということは同意することを意味する」というのは、よく学校や会社でも起こることですよね。

僕も高校時代に生徒会活動をやっていたのでよくわかりますが、「この起案について、何か意見はありますか?」とほかの人たちに聞く機会は多いです。そしてそれに対して大半の場合は誰も何も言わず、「大丈夫そうであれば、これは承認ということで……」と、意見が出なかったということを同意してくれたということと同義だと理解して話を進めてしまうケースが多かったです。

日本人はこのように、自分の意見を表明するのを避ける傾向が強く、人前ではなかなか意見しづらいという人が多数だと思います。そのため「何か意見がありますか?」と聞かれても大人数の会議であれば意見を言わない人が多いのです。

とはいえ、だからといって「同意している」というわけではないですよね。人前では言えないだけで、心の中では反対していることがあるかもしれない。僕自身も生徒会活動をしているときに、「誰も意見を言わないけれど、このまま承認ということで進めていいのかな」と不安に思ったことがあります。

部活をしっかり頑張っていた人や、文化祭を運営していた高校生であれば、みんなこのような経験はしているのではないかと思います。もちろん、その経験は受験とはまったく関係ないわけですが、この問題を見て対応できたのは、英語の勉強をしている人というよりもむしろ、高校時代にそういった社会的な活動をしていた人なのではないかと僕は考えています。

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