米紙の行くべき街「富山」ロケ地でも大人気のワケ キャストや制作スタッフが「ロケしたい」と殺到

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特に富山県庁には、「富山ロケーションオフィス」の経験豊富なスタッフが常駐し、問い合わせに対応。富山市内だけでなく、広く県内における豊富な撮影受け入れ実績を蓄積しており、制作スタッフからの「このような風景が撮りたい」というさまざまな要望に対応しています。

県外の人が作品の世界観に合った風景を探すことは難しく、地元をよく知るスタッフの腕の見せ所となります。また、撮影に適した風景があったとしても、その土地や店舗などの所有者から撮影許可を取ったり、道路で撮影する手続きをしたりなど、地域のサポートが不可欠となります。
そうした対応力の素晴らしさによって、「富山ファン」の制作スタッフが増え続けているのです。

富山
富山県庁「富山ロケーションオフィス」では、経験豊富なスタッフが作品の世界観に合わせてロケ地を選定しています。写真は「富岩運河環水公園」(写真提供:富山県ロケーションオフィス)

インド映画のロケ地にも選ばれている

富山市から少し足を伸ばせば、映画『剱岳~点の記~』(2009年)で知られる、富山を代表する名峰・剱岳をはじめ、映画『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)で美しい自然が描かれた上市町があります。

さらに、往年の映画『黒部の太陽』(1968年)で描かれた黒部ダムも外せません。黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅と黒部ダムまでを結ぶ全長約18キロの「黒部宇奈月キャニオンルート」の開通も待たれます。

そして近年、富山県では邦画だけでなく、インド映画のロケも行われているのです。

2013年公開の『進めクマール!恋愛必勝法』では、世界遺産の合掌造りの五箇山などが定番のダンス音楽シーンで使われたことから、インドで大ヒットした同映画のロケ地をひと目見ようと、インド人観光客が急増したそうです。

富山
雪が降り積もった相倉合掌造り集落「五箇山」(写真:まちゃー/PIXTA)

今年、世界から注目の富山市。そこには、ロケ地に選ばれるだけの地域の魅力があふれていました。ロケ地巡りをテーマに、話題の都市に出かけてみるのも面白いかもしれません。

古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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