「失敗ができない日本」が変わらなかった特殊事情 会社の倒産で経営者も自己破産に追い込まれた

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さらに、中小企業庁は2023年3月15日から「スタートアップ創出促進保証」という個人保証を不要とする新しい保証制度を導入している。2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を踏まえて、経営者の個人保証が起業や創業を阻害しないようにと新設された制度だ。

創業後5年未満の法人を対象に、3500万円、10年以内の保証期間を設定したものだが、やはり信用保証協会所定の保証料率に0.2%を上乗せした保証料を負担すればいい。ただし、融資を受けたのち、中小企業活性化協議会による「ガバナンス体制の整備に関するチェックシート」に基づく確認、助言を受ける必要がある。

この他にも、保証協会付きの融資であれば個人保証を付けずに済む制度などが誕生しているのも事実だ。随分と時間がかかってしまったが、やっと日本でもスタートアップ企業や事業承継に道筋ができてきたといっていいのかもしれない。ただ、20年も、30年も前に官僚や政治家が重い腰を上げていれば、日本経済がここまで硬直化することはなかったかもしれない。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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