シニア世代は貯金より「貯筋」!速歩きのススメ 「歩き方革命」鎌田實さんと荻原博子さんが対談

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鎌田:そうです。「サルコ」は筋肉、「ペニア」は減少するっていう意味です。サルコペニアになると歩いたり立ったりっていう日常の基本動作ができにくくなります。現在、高齢者の15%程度がサルコペニアに該当するといわれていて、80代だと約60%に上るそうです。

荻原:筋肉が減ると歩くのもおっくうになりそうですし、転びやすくもなりますよね。若いうちから筋肉を減らさないことが大切なんですね。

鎌田:そうなんです。しかも、筋肉が減ると代謝が落ちてしまい、太りやすくなります。メタボ対策にも筋肉は必須です。でもそれだけじゃありません。最近、ぼくが思っている筋肉を鍛える最大のメリットがあるんです。

荻原:それは何ですか?

「無形浮遊資産・マイオカイン」とは?

鎌田:荻原さんは経済の専門家ですから、「固定資産」や「流動資産」についてはお詳しいですよね。

荻原:……そうですね。固定資産は土地や建物などの財産で、流動資産は現金や預貯金などの財産をさします。でもそれって、筋肉と関係ありますか?

鎌田:そこからヒントを得て、ぼくは「無形浮遊資産」という言葉を勝手につくったんですよ(笑)。形はないし、目にも見えないんだけど、たくさんもっていれば幸せになれる「資産」っていろいろあると思うんです。知識とか、人脈とか、自己決定力とか。そのひとつが、筋肉が生み出すホルモンだと思うんですよ。

荻原:筋肉が生み出すホルモンが……資産?

鎌田:その代表的なものが「マイオカイン」というホルモンです。これは筋肉を鍛えたり動かしたりすると分泌されるホルモンで、全部で600種類以上あって、筋肉だけではなく全身のさまざまな臓器に影響を与えるホルモンなんです。脂肪を燃焼させたり、血圧や血糖値を下げたりする効果もあります。

荻原:知り合いが「毎日運動するようになったら血圧が下がった」って言っていました。それもマイオカインのおかげだったんですね。

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