シニア世代は貯金より「貯筋」!速歩きのススメ 「歩き方革命」鎌田實さんと荻原博子さんが対談

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鎌田:1つ目のポイントは、歩幅を広くとることです。自分の「いつもの1歩」を、意識してあと10センチ広げて歩くんです。

荻原:歩幅を広くして歩くと、何かいいことがあるんですか?

鎌田:下半身が鍛えられるのはもちろんですが、認知症予防にも効果がありますよ。国立環境研究所の研究では、歩幅の広い人と狭い人で比較すると、狭い人のほうが認知機能低下のリスクが3倍以上になるんです。女性はとくに、70代以降は歩幅が狭くなりがちなので、意識して広げてみてください。

荻原:歩幅なんてあまり意識していませんでしたから、やってみます。

鎌田:2つ目は、歩く速度を上げることです。アメリカのオレゴン健康科学大学の研究グループによると、MCI(軽度認知障害)と診断された人は、健康な人に比べて歩行速度が毎年1秒あたり0.01秒遅くなっているのだそうです。歩行速度の低下は、MCIと診断される12年前から起きているそうですよ。

荻原:のんびり歩いている場合じゃないですね! 犬に速歩きさせなくちゃ(笑)。

鎌田:犬が嫌がるから、散歩が終わったあとに荻原さんが3分間だけ速歩きすればいいんですよ(笑)。あとは買い物などで外出するときに、速歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返して歩くといいですね。3分速歩き、3分ゆっくり、これを繰り返して15分歩く「インターバル速歩」をぜひやってみてください。

1日1万歩なんて歩かなくても大丈夫

荻原:ところで、1日1万歩くらいは歩いたほうがいいんですか?

鎌田:毎日そんなに歩ける人は、よほど根性がある人ですよ(笑)。60歳以上なら6000〜8000歩、70歳以上なら4000〜6000歩、75歳を過ぎたら3000歩くらい歩けばいいでしょうと患者さんには伝えています。でも、ウォーキングをすると快感ホルモンが分泌されるので、気持ちよくなってくるんです。「もっと歩きたい」と思ったら、たくさん歩いても問題ありません。

荻原:3000歩でもいいと聞いて、ちょっと安心しました。

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