シニア世代は貯金より「貯筋」!速歩きのススメ 「歩き方革命」鎌田實さんと荻原博子さんが対談
鎌田:日本ウオーキング協会によると、1日1万歩歩けば医療費の抑制効果が高まって、1週間で98円分の経済効果があるそうです。ウォーキングは有酸素運動ですから、心肺機能も強化されて筋肉も鍛えられるし、いいことがいっぱいです。でも1万歩を毎日歩いても、無理をしてひざ痛や腰痛が起きてしまったら、治療費がかかっちゃいますよね。だから絶対に無理はしないこと。
歩数をかせぐことよりも、「歩幅を広く」「速歩きとゆっくり歩きを組み合わせる」ほうが大事だとぼくは思っています。そうそう、インターバル速歩をするときに、ゆっくり歩くでしょ? そこで10歩くらいスキップを入れるのもおすすめ。筋肉に負荷がかかるので、筋肉量も増えますし、気分も若返りますよ。
荻原:スキップ! もう何十年もやっていませんが、挑戦してみますね。
鎌田:それから、ウォーキングというと「まとめてしっかり歩かなくちゃ」と思いがちなんですが、そんなこともないんです。ぼくの場合、家で一日じゅう原稿書きをしている日は、1時間に1回、3分くらい家の前の道路を行ったり来たりします。それを1日5回やると、室内での移動も含めて4000歩は難なく歩けてしまうんです。
荻原:そうか、こま切れでもいいんですね。それはいいことを聞きました。
加齢で筋肉が減少する「サルコペニア」
鎌田:ただし、ウォーキングだけで「貯筋」はできません。筋肉を増やすための運動はぜひともやってほしいですね。筋肉って年齢とともに減ってくるんです。一般的に筋肉量のピークは20代で、30代になると1年に1%ずつ減っていきます。50代以降は年に2%減り、70歳を過ぎればピーク時の半分近くまで筋肉が減っちゃうんです。荻原さんは「サルコペニア」って聞いたことはありますか?
荻原:高齢になって筋肉が減ってしまうこと……でしたっけ?