認知症予防効果が期待される「ダイエット薬」 認知症、呼吸器、循環器病を予防する効果も?

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薬の処方
さまざまな疾病の治療薬として期待されている、GLP-1作動薬。アメリカでは8人に1人が治療に使ったことがあると報告されおり、すさまじく普及している(写真:nonpii/PIXTA)

肥満治療薬として知られるGLP1作動薬。いまやアメリカでは国民の8人に1人が治療に使ったことがあるとの統計結果が報告されており、すさまじく普及している。

最初は糖尿病の治療薬として開発されたが、食欲を抑制して体重が減少する効果があることがわかり、その後は肥満治療薬として開発された。セマグルチド(それぞれ適応疾患によって商品名が異なっており、糖尿病治療用の注射薬オゼンピックと内服薬リベルサス、肥満症治療用の注射薬ウゴービ)やトルゼパチド(おなじく糖尿病治療用の注射薬マンジャロ、肥満症治療用の注射薬ゼップバウンド)などがある。

GLP-1作動薬はやせるだけではない

日本では長らく適応外使用=糖尿病治療薬を糖尿病でない人の治療に使うことが問題視されて、あたかもよくない治療と捉えている人が少なくない。糖尿病治療用のオゼンピックと同じ成分で、さらに容量を多くしただけの製剤が肥満症の治療薬「ウゴービ」として承認されている。ただし、日本ではBMI35を超える重症の肥満でなければ適応でなく、処方にはさまざまな条件が付いているため、普及していない。結局のところ糖尿病用の薬を適応外使用する状況は変わっていない。

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