
ネコと鳥、イヌとウサギ、ネコと魚、フェレットとハムスター、カメとヘビ、ヒトとチンパンジー ……。テレビの動物バラエティー番組やYouTubeの動画などでは、異なる種の動物たちが一緒に過ごす姿が頻繁に紹介されます。
種を超えて「情」を交わしている(ように見える)光景に、多くの人は心が癒やされ、思わずほほ笑んでしまうことでしょう。だからこそ、そうした映像は視聴数を期待される番組や動画の定番になっています。
微笑ましいどころか……
しかし、動物の遺体を日々解剖する獣医病理医である僕にとって、それはほほ笑ましいどころか、反対に思わず顔がこわばってしまう恐ろしい光景です。
生物として種が異なれば、その姿形だけでなく、習性、運動能力、情報の認知や処理の方法もまったく異なります。かかる病気も違ってきます。そんな生き物同士が同じ空間にいると、命に関わる事態がしばしば起こるのです。