少し後にYさんはこう振り返っている。
赤の他人をみるような、そんな感覚でした
今でもたまにその感覚に陥るときがあるのでしっかりと自分と向き合いたいと思います>
(2024年10月31日投稿 ※削除済み)
アルコールと過剰摂取で傷んだ肝臓
精神科病院への措置入院などの強制的な手段はとられなかったが、福祉事務所の担当者からは持病である糖尿病の状態を知るために総合病院に診察に行くよう勧められた。今の状況を立て直すには生活保護が必要で、申請を通すには健康面の正確な情報が必要になる。
すると、肝臓の状態があまりにも悪く、入院することになった。
Yさんが糖尿病と診断されたのは20代前半だった5年前だが、その前段階として慢性膵炎での入院も経験している。保護されるまでアルコールを常飲していたことに加え、若い頃から市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)を、薬のCMを見ているだけで気持ち悪くなるくらいに試していたという。
心を保つための長年の過剰な摂取は確実に身体を蝕んだ。肝臓の機能を評価する血液検査項目である「γ-GTP」は男性なら50 IU/L以下が基準値とされているが、Yさんの値は6997となっていた。急性肝炎ばかりか悪性腫瘍の可能性も疑われる値だ。
γ-GTPの値は徐々に下がっていったものの、退院に至るほどの体調にはなかなか戻らない。数週間程度で済むと思われた入院は2カ月間に及び、病院のベッドで年を越すことになった。
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