パナソニックの尼崎第3工場は失敗だったといわれるが、工場建設の細部は正確に行われたのだろう。誤っていたのは、工場を作るという決定そのものであったのだ。
現場力の強さが正当化されるのは、技術が安定的で、経済条件も大きく変化しない世界だ。80年代まではそうであった。これは、ITが普及する前、新興国が工業化する以前だ。それが変わったのだ。
表は、『フォーチュン』誌が毎年作成するフォーチュン500のアメリカ企業上位10社を利益額の順に並べたものだ。60年は石油会社と製造業だけである。それが11年には様変わりし、金融業が増えた。製造業はアップルとIBMだけだが、どちらもIT関連で、しかも従来の製造業とは性格が異なる企業だ。
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