「更年期の体重増加」医療を使って対抗する方法 「50歳を超えての減量」は大きな意味がある

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肥満は更年期女性の敵。50歳を超えての減量は、容姿を整える目的だけでなく、大きな意味があります(写真:msv/PIXTA)

更年期(閉経期)は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少する時期を指す。閉経の定義は「最終月経から12カ月間月経がない状態」で、45~55歳前後に迎えることが多い。

エストロゲンが減少すると、脳の下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が多く分泌されるようになる。FSHの上昇は筋肉などのタンパクの分解を促進させるため、タンパク質をより多く摂取するよう食欲が増加する。

体が欲しているのはタンパク質なので、タンパク質を多く含む食品を摂るように食事内容を調整するといいのだが、そうでない場合にはタンパク質以外の栄養素、たとえば炭水化物や脂質を摂りすぎることになり、これがエネルギー過剰状態を引き起こし、体脂肪が増加する。

また、体内では男性ホルモン(アンドロゲン)が相対的に増加するため、それまで下半身や腰回りに脂肪が付きやすかったのが、男性と同様に内臓脂肪が増えやすくなり、お腹が出てくる体型変化が起きる。

閉経にともなう外見的変化

外から見える変化として、皮膚は弾力が低下し、乾燥しやすくなる。結果として小ジワやたるみが目立ちやすくなる。髪は細くなり、毛が抜けやすくなり、脱毛症が起こりやすくなる。筋肉量が減少し、脂肪の付き方が変わるため、お尻が平べったくなり、太ももの張りが失われる。骨密度が低下して骨折しやすくなる。やがて背骨の圧迫骨折により猫背が進み、“老人”っぽい見かけとなる。

皮膚のたるみや乾燥に対しては、若い頃からの紫外線対策と日頃の保湿が有効だ。地表に届く紫外線にはUVAとUVBがあり、とくにUVAは皮膚の深層まで届き、皮膚の張りや柔らかさを成す膠原線維や弾性線維を傷つけるからだ。また皮膚が乾燥していると表情筋の動きに伴ってシワができやすくなり、慢性化すると深いシワとなっていく。皮膚の乾燥を防ぐには保湿が重要だ。

筋肉が落ちやすくなることに対しては、タンパク質の摂取と筋トレが有効だ。タンパク質はドカ食いが利かないため、1日3食で満遍なく摂る必要がある。体重50kgの人が一日に必要とするタンパク質は50gだ。しかし肉類とてタンパク質の含有量は20%程度でしかなく、肉だけで一日の必要量を摂ろうとすると250gの赤身肉が必要となり、現実的ではない。

一方、卵は1個で10gほどタンパク質が摂れるので有用な食べ物だ。トーストとサラダの朝食にゆで卵やチーズを加えるだけで良い。コンビニで済ませる場合も、サンドイッチやおにぎりの具はハムやチーズ、卵、鮭などを優先して選ぼう。

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