トランプ大統領の「訪日」は7月にしたほうがいい 「トランプ劇場Season2」の鍵はフロリダにあり

✎ 1〜 ✎ 255 ✎ 256 ✎ 257 ✎ 258
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに日本製鉄によるUSスチール買収については、今後の協議を待たねばならないけれども、とりあえず良かったと言えよう。「買収はダメだが投資ならいい」というヘンな言葉は、トランプさんの面子をつぶさない「方便」というもの。そして日鉄さんにとっては、「起死回生」のマジックワードであった。これでバイデン前大統領の停止命令は事実上消えたし、これ以上裁判を続ける必要もなく、契約上の違約金を支払う義務も消えた。

逆にトランプさんに「ダメなものはダメ」と言われていたら、その時点でゲームセットになっていた。個人的には、あの品のないゴンカルベスCEO(クリーブランド・クリフス社)が、今ごろ渋い顔をしているかと考えると、それだけでも胸がすく思いである。あらためて振り返ってみると、「日本製鉄『USスチール買収成功』へのプランBとは」(1月18日配信)はいい線をいっていたような気がする。

首脳会談成功は「日本以外に戦うべき相手がいる」から

さて、日米首脳会談がうまくいったということは、逆に言えばトランプ氏の日本への関心がそれほど高くなかったということでもある。実際に2024年のアメリカの貿易赤字は総額で1.2兆ドルもあったのに、日本向けは685億ドルと第7位、わずか5.65%を占めるにすぎない。第1位の対中国赤字2954億ドルに比べれば、日本ははるかに「罪が浅い」のだ。

つまりアメリカはもっと他に戦うべき相手がいる。トランプさんが早々に首脳会談をセットしたイスラエル(4日)、日本(7日)、インド(13日)は、重要な同盟国・友好国だからというよりも、「お前たちのことまで構ってはいられない」ということではなかったか。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事