日本製鉄「USスチール買収成功」へのプランBとは トランプ次期政権ではむしろ可能性あり!?

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日本人をほぼ100%敵に回して、完全に悪役となっているクリーブランド・クリフス社のローレンソ・ゴンカルベスCEO(写真:AP/アフロ)

「中国は悪だ。邪悪で恐ろしい。しかし、日本のほうがひどい、日本は邪悪だ」

1月13日、アメリカの鉄鋼大手クリーブランド・クリフス(クリフス社)のローレンソ・ゴンカルベスCEOの記者会見での発言である。よく言うよ、である。しかし「1945年以降、何も学んでいない」とまで言われれば、温厚な筆者としてもここは黙っていられない。

CEOの暴言は「妨害工作疑惑」が図星だったことの証左?

これに先立つ1月3日、ジョー・バイデン大統領が日本製鉄によるUSスチール買収に対して阻止命令を出した。外国企業による投資を審査するCFIUS(対米外国投資委員会)は9つの省庁の合議体だが、買収の是非について期限内に意見の一致を見ることができなかった。CFIUSの議長役であり、外国投資を司る財務省は買収に賛成、日米関係を重視する国務省や国防総省も賛成、しかし商務省やUSTRが反対したと伝えられている。

かくして最終判断は大統領に委ねられたわけだが、「史上最も組合寄りの大統領」を自称するジョー・バイデン氏としては、やはり認めるわけにはいかなかったのであろう。この判定を不服とした日本製鉄とUSスチールは、買収禁止命令とCFIUSの判定の無効を求める訴訟を起こしている。

それと同時に両社は、クリフス社とUSW(全米鉄鋼労働組合)も訴えた。こちらは違法行為の差し止めや損害賠償の請求であり、要は「買収を阻止したいライバル社が、労働組合と手を組んで妨害工作をしていただろう?」ということだ。察するにこれが図星であったために、冒頭の暴言が飛び出したのであろう。

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