「この図は何?」クイズで身につける考え方のコツ 「考える」とはすなわち「パターン認識」すること
ここまで見てきた通り、考えるとは、何かを深く考察し、メタレベルから思考を巡らせて、パターン認識を実践することです。それこそが、優れた思考を行ううえで、論点思考や仮説思考などの特定の思考法に先立って備えるべき基本的な「思考態度」です。
思考態度は私の造語なので聞き慣れないと思いますが、戦略コンサルタントのトップ5%だけが備える思考の違い・特徴を端的に表現した思考特性に関わる概念と捉えてください。
分野特有の知識とモノの考え方
ちなみに、専門性はその分野に特有の蓄積・確立されたパターン認識方法であり、分野特有の知識とモノの考え方(「認識スキーマ」といいます)からなります。
医学において、つけられた疾患名は病状に対するパターン認識の結果です。そして、医師が検査という方法とデータからある疾患と判断するのは認識スキーマです。
同じような症状に対して、西洋医学と中国医学では疾患名も診断方法もまったく違います。どちらが正解というよりも、異なるパターン認識と認識スキーマなわけです。
ビジネスにおいても、たとえば古典的な競争優位論において、実際の市場での戦い方やポジションの取り方に重点を置く構造の戦略・競争優位論と、実際の市場での戦いよりも、それを実現する企業や組織の能力、組織風土などに重点を置くケイパビリティの戦略・競争優位論があります。どちらが正解でもなく異なるパターン認識・認識スキーマなのです。
パターン認識力の獲得に手っ取り早いのは専門性の習得です。しかし、ここでは、より汎用性の高い思考力を求める方のために、パターン認識のパターンをメタ認知(客観的な認識)して整理しておきます。
これを知ったらできるようになるわけではありませんが、インデックスとして想起するだけでもパターン認識の一助にはなると思います。図と下記の実例も参照ください。
●法則:(例)変化の関数関係性のパターン認識
●因果:(例)原因と結果の関係性のパターン認識
【共通性】
●グループ:(例)特徴共通性や時間的空間的隣接などによる群のパターン認識
●類似:(例)異質なものの間の形態上、構造上、性質上などの類似のパターン認識
【論理性】
●演繹:(例)三段論法的パターン認識
●帰納:(例)枚挙法的推論≒帰納によるパターン認識
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