24時間「夫を監視したい」ある妻の"偽らざる本音" 「興味のない男性」から「熱愛する相手」への大変貌

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子どもに関しては「できたらできたで構わないけれど、特に欲しいわけではない」というスタンスで意見が一致。掃除と洗濯はほぼ聖子さんが担当しているが、平日の食事は総菜を買って済ませ、休みの日などに圭一さんが得意の鍋料理を作ってくれる。財布は2人分を聖子さんが握っている。

止まらない独占欲、一度は離婚危機も

かなり恵まれた環境と言えるが、聖子さんの独占欲は静まらなかった。爽やかなスポーツマンである圭一さんと「一緒の空間にいられるだけで幸せ」であり、そこには友達や親きょうだいすらも入る余地はない。

「私の両親が地元出身者ではなかったので、親戚やご近所付き合いはほとんどありませんでした。だから、結婚しても家族同士の付き合いが苦手で、夫の姉とはまだ一度も会えていません。避けているわけではないのですが挨拶するタイミングを失ったんです。あと、義理の母がうちに週に3回ぐらい食べ物を持ってくるのも嫌でした」

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うちといっても元は義母の自宅である。同居ではないのだし、食べ物をくれるのだから快く受け入れたらどうだろうか。しかし、聖子さんの狭量ぶりは止まらない。

「夫は家ではお酒を飲まないのに、貝柱とかあたりめとか酒の肴みたいなおやつが好きなんです。義母はそれを知っているので持ってくるのですが、私が好きなチョコや柿の種は一つも入っていませんでした」

ここまで率直だとかわいらしくもある。優しい圭一さんは母親にこちらの要望を遠回しに伝えてくれた。以来、義母がやって来るのは週1程度になり、おやつの中には柿の種が入るようになったという。

夫婦だけの空間に他人を入れたくない聖子さん。動物は例外であり、独断でメス猫を飼って慈しんでいる。ちなみに圭一さんは猫アレルギーだ。

聖子さんはワガママのし放題のように見えるが、今から2年前には離婚の危機があった。原因はもちろん、圭一さんの外出すら制限する聖子さんの異常なほどの束縛である。

「夫から『がんじがらめで息が詰まる。1週間でもいいからちょっと離れて暮らしたい』と言われました。私は『絶対に許さない!』と拒否したのですが、夫は勝手に出ていってしまって3カ月ほど帰ってきませんでした。それからは少し反省して、週に1回は飲みに行くことを許しています。今日の夫は社員旅行で温泉に行っています。大いに羽を伸ばしているんじゃないですかね。夫が女性がいるようなお店に行くときは不安すぎて、私も一緒に行って離れた席からでもいいのでじーっと見ていたいと思ってしまいます。さすがに我慢していますけど」

サバサバ系とは対極にいる聖子さん。かつて一目惚れした圭一さんは戸惑いながらも面白がっているのかもしれない。さらに時間が経過すれば、今度は圭一さんの聖子さんへの愛情が強まることもあるだろう。追いかけたり追いかけられたりしながら末永く健やかに暮らしてほしい。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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