フィリピン副大統領が下院で弾劾!失職の危機に 次期大統領選の有力候補、現職は妻との間で板挟み
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フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領が2025年2月5日、下院により弾劾訴追された。上院の弾劾裁判で3分の2の議員が賛成すれば失職する。
サラ氏は2月7日、「法的に対応する準備はできている」「神よ、フィリピンを守りたまえ」とファイティングポーズを崩さなかった。さらにフィリピン国家捜査局は2月12日、
フィリピン政治恒例のごたごたとの見方はあるが、留意すべきはサラ氏が依然として2028年の次期大統領選の有力候補であることだ。
親米路線をとる現政権とは異なり、サラ氏は父のロドリゴ・ドゥテルテ前大統領に倣った中国寄りの姿勢で知られることから、裁判の結果は日本を含む地域の安全保障環境にも影響を与える可能性がある。弾劾訴追の裏に何があったのか。
訴追の急先鋒は大統領の息子
下院はサラ氏弾劾の理由として、▽ボンボン・マルコス大統領夫妻とマーティン・ロムアルデス下院議長に対するサラ氏の暗殺発言、▽副大統領府と、サラ氏が担当していた教育省の機密費計6億2500万ペソ(約16.3億円)の不正支出疑惑、▽巨額の個人資産を公開していない疑い、▽超法規的殺害への関与、などを列挙している。
弾劾請求は2024年末以来、市民団体などから3件提出されていたが、2025年2月5日午後、3件の請求を統合した4件目の弾劾の動議が下院に提出された。実質的な審議もなく、定数318のうち訴追に必要な3分の1を大きく上回る215人が訴追に賛成票を投じて可決された。
訴追に賛成する署名者の筆頭は、大統領の長男のサンドロ・マルコス議員だった。最終署名者はロムアルデス議長。大統領のいとこである。
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