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「一杯どうぞ」玄人バー文化が若者に"拡大"の背景 まるでキャバクラ?獲得数を店員に競わせる店も

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  • 大関 まなみ フードスタジアム編集長/外食ジャーナリスト
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ここ数年で、ドリンクのメニュー表に「スタッフに一杯」「スタッフにおごれます!」「スタッフと乾杯(※有料)」といった記載がある店が非常に増えた。極めつけは、「店員に一杯おごれるベル」というものを置いている店もあった。

とある店で見かけた「店員に一杯おごれるベル」。鳴らすとチーン!と小気味よい音が店内に響くとともに、店員が笑顔でドリンクを持って乾杯にやってくる(筆者撮影)

この「一杯どうぞ」は、どこかで説明されているわけではなく、暗黙知として広がったもの。酒場慣れした玄人客による粋な行為だった。

それが今は上記のように誰にでもわかるよう明文化され始めている。これにより、玄人客だけでない幅広い層で「一杯どうぞ」と店員と乾杯するシーンが増えている。

「一杯どうぞ」の獲得数をランキング形式であおる店も

なぜこうした変化が起きているのか。筆者は「店側の都合」と「お客の意識の変化」の2つの側面があると考える。

「店側の都合」にも2種類の都合がある。利益面と人材面だ。まずは利益面について。周知のとおり、昨今、原価や人件費、水道光熱費、家賃などあらゆるコストの値段が上がり、飲食店を取り巻く状況は厳しさを増すばかり。

そんな中で利益率の高いドリンクの出数が増える「一杯どうぞ」は単純に経営面から見て有りがたい。なるべく多くの売り上げを取りたいと考えたら、メニュー表に「スタッフに一杯」の項目を入れたくなる気持ちもわからなくない。

「スタッフへのおつかれビール」を出す店も。低価格で質の良いサービスが提供されるデフレ時代は終わり、「スマイル500円」の時代になったということか(筆者撮影)

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